産経新聞の『夕刊フジ』が１月３１日を最後に休刊しました。１９６９年の創刊から56年の歴史に幕を下ろす理由はデジタル端末の普及、購読者の減少、原材料や輸送コストの上昇などだそうです。掃除に使ったり野菜を包んだり鍋敷きにしたりと生活の知恵でもある新聞紙。そのうち貴重品になるかもしれませんね。

今月の商売のヒント：【商売を素晴らしくする方法】

「キング・オブ・ジャズ」と称えられたルイ・アームストロング。通称「サッチモ」で親しまれていた彼の『What a Wonderful World（この素晴らしき世界）』は発売から50年以上経った今でも名曲として愛されていますが、ＳＮＳでこんなコメントを読みました。
「もともといい曲だと思っていたけれど、サッチモが生きていた時代や彼の境遇を知った上でこの曲を聴いたら100倍感動して、世の中の見方が変わった」。
黒人が公然と差別を受けていた時代に同胞である黒人社会からも「アンクル・トム」と揶揄されていたサッチモが、66歳で心臓病を患ったときに作ったのが『What a Wonderful World』でした。歌詞をご存じない方はネット検索してみてください。
背景を知ることで「好き」が深まり、新しい視点でこの世界を見ることができる。これは素晴らしい経験だと思います。「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」。論語の有名な一節で「知識を持っているだけの人は、それを心から好きな人にはかなわない。そして、それを好きなだけの人も、それを心から楽しんでいる人にはかなわない」という意味です。
つまり、何かを「知っている」だけではなく、それを「好き」になり「楽しむ」境地に達することで、より深く本質を理解し、生かせるようになるという教えです。学びや物事への取り組み方の重要な心構えですが、商売においても参考になる考え方だと痛感しました。良いこともそうでないことも区別なく、目の前のことをただひたすら楽しもうとすると、この世界も商売も素晴らしいものになるのでしょう。

人道憲章と人道対応に関する国際的な最低基準の通称。災害や紛争の被災者に対する理想的な人道支援活動のために策定された。基本指針として「住居は１人あたり3.5平方メートル」「水は１人１日15リットル」「トイレは20人につき１つ」などがある。政府は避難所運営の指針にスフィア基準を反映させる方針としている。