【人間関係がどんどん良くなる「ねぎらいスパイラル」】

こんにちは。
１１月２２日の「いい夫婦の日」にちなんだ夫婦生活の意識・実態調査から興味深いデータが届きました。20歳から49歳の既婚女性600人に「夫に愛情を伝えたり、ねぎらったりしているか」と尋ねたところ、妻の80.7%が日頃から夫に対して愛情を伝えたりねぎらったりしていると回答。ところが、同じく600人の既婚男性のうち54.5%が、今以上に妻からの愛情やねぎらいの表現を欲していることがわかったのです。妻は夫に十分伝えているつもりでも、実に半数以上の夫が妻の愛情やねぎらいに飢えているという結果からは、何をもって「ねぎらい」かという根本的な問いかけが透けて見えます。ちなみに、妻が考える夫への愛情やねぎらいの一番の表現方法は「楽しく雑談やおしゃべりをする」こと。しかし世の夫にとって、妻との雑談やおしゃべりは妻が思うほどねぎらいになっていないというわけです。

人間関係がこじれる原因のひとつは間違いなくねぎらい不足でしょう。
人には「認められたい」「わかってほしい」といった欲求があり、特に身近にいる大切な人に対してはその願望が強くなります。ですから「私を認めて!」「私をわかって!」という暗黙のメッセージに気付かなかったり無視したりすれば、人間関係がこじれてトラブルが起こるのもあたり前です。逆に、「あなたのことをちゃんと見ていますよ」「陰の苦労や努力をわかっていますよ」とねぎらえば、それだけで一気に関係が良くなることもあります。現に先ほどの調査では、妻からねぎらわれた夫の７割以上が「夫婦関係が良くなる」と答え、夫婦仲だけでなく家族仲も良くなり、幸せな気持ちになって仕事のモチベーションも上がるというのですから、「ねぎらいスパイラル」はいいことずくめです。

人間関係を良好にするコミュニケーションスキルとして「ほめる力」も注目されていますが、「ほめる」と「ねぎらう」は違います。たとえば頼んだ仕事がうまくいったとき、「よくやってくれた！ありがとう！」と結果に感謝するのが「ほめる」なら、結果が出る・出ないにかかわらず「ここまで大変だったでしょう。よく頑張ってくれました」と、頑張りや苦労や気遣いや思いやりに感謝するのが「ねぎらい」です。そこで大事なのはねぎらいポイント。自分ではねぎらっているつもりでも相手に響いていなければ、「夫にとっての妻の雑談やおしゃべり」と同じになってしまいます。まずは相手がやってくれたことに感謝の気持ちを向けてみましょう。
「いつもありがとう」それだけでもねぎらいの気持ちは十分伝わるものです。また、「共感」もねぎらいの要です。落ち込んでいる人の事情も聞かずに「もっと頑張れ」といきなり発破をかけたら、相手は自分の気持ちを否定されたと感じます。もしくは、自説を披露したりアドバイスばかりするのもねぎらいからもっとも遠い行為です。大切なのは相手の気持ちに寄り添うこと。「大変でしたね」「辛いでしょう」という共感は心癒されるねぎらいです。さらに、「あなたはあなたのままでいい」というメッセージも、実はパワフルなねぎらいであるのをご存知でしょうか。妻の誕生日に「今のままで十分素敵だよ」と書いた手紙を送贈った夫はそれからしばらくの間、この世の春を独り占めしたくらいの好待遇で妻から大切にされ、だから夫婦も家族も円満で仕事も絶好調だったそうです。

ねぎらいは人を幸せにします。ねぎらいの言葉に人は救われます。ねぎらいの連鎖は世の中を良くします。あなたも「ねぎらいのスパイラル」の先陣を切って、周囲の人たちを幸せにしていきませんか。