企業の方々、メディア関係者、フリーランサー、サラリーマン、学生、主婦といった多様な方々と食を共にした中で得た「成功と出世の糸口」をこのマガジンをお読みのみなさまだけに伝えさせていただきます。今回も、お楽しみいただけましたら幸いです。

それは、社長の責任です

先日、驚いたことがありました。
一緒にお仕事をしている人に「お食事を」と誘われて、車で20分ほど揺られて着いた先がなんと、回転寿司。相手の方は何を悪びれるわけでもなく、「お好きなものをどうぞ。こちらのあら汁も頼みましょうか？」などと気を遣ってくださるので、たぶん日常からそういう場所で打ち合わせや接待をされているのでは、と想像いたしました。
回転寿司は悪いところではないと思います。時間がない時などは、待たずに好きなものを食べられるので便利ですから、利用することもあります。ただ、日本風ではありますがやはりファストフードですよね。これがアメリカならハンバーガーチェーン店にお客様を連れていくようなものでしょうか。

ファストフードというのは、手軽で早く食べられるものという位置づけです。味やコンフォータブル（快適性…ということになるでしょうか）は二の次で、とにかくおなかを満たすということが目的の場所です。それに対し、自分の会社以外の人（お客様での仕事相手でも）と食事をするときには、出先で緊急に入る…という場合は別ですが、だいたい食事をしながらのコミュニケーションをとるためにお店へ入ることがほとんどです。相手の方はそのために時間を空け、その場所まで足を運ぶのです。その時におなかを満たすだけのメニューしかない場所に連れて行かれたらどうでしょう。
何か話をしたくても、目の前でお皿がグルグル回っていたり、狭い店内でひっきりなしに「いらっしゃいませー、ポテトご一緒にいかがですかー？」という大声が聞こえたりしたら？

これは担当者の彼の問題ではなく、その上司、延いては社長の問題であると思うのです。
会社に入社したばかりの人は、どんなバックボーンを持っているか分かりません。年齢や性別などではなく、その人が生きてきた環境によって食事の場所の選び方も様々変わるでしょう。
しかしながら、対会社においては、その人が選ぶ場所というのはその会社が選んだ場所ということになります。ですから会社としてきちんとした食事の場所を担当者に教えておくべきなのです。

部長が相手先と仕事のついでに食事をするとき、社長が接待とするときには、必ず新人さんを同席させてください。ひとりずつ順番でいいのですから。
どんな点に注意してお店を選ぶか、相手を誘う時にはどうするか、そしてどんなもてなしが相手を喜ばせるのかを自ら実践し、教えてあげてほしいのです。

最近の若い人は、夜の接待など業務外だと言うこともあると聞きます。実際は業務の内であることを部長・社長クラスの方は、よくご存じのはずです。
新人が部長・社長ななった時に困らないように、それをきちんと教えてあげるのも「ＯＪT］のひとつではないでしょうか。